12:30~ 受付開始 |
1) 13:00-13:50 |
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「エポキシ樹脂のネットワーク構造の制御による高耐熱化と高熱伝導化」 |
関西大学 化学生命工学部 越智 光一 |
講演概要:エポキシ樹脂は電気絶縁材料として広い工業分野で用いられている。このエポキシ樹脂の高熱伝導化を目的とした網目鎖の配列構造制御が研究され、メソゲン基などの導入による自己組織化が注目を集めている。これとは別に、最近、網目構造中の欠陥を少なくすることにより、脂肪族エポキシ樹脂でもその硬化物の耐熱性を大きく向上できることを報告した。本講演では、このような網目鎖の配列や欠陥の制御による熱的性質の向上について紹介する。 |
2) 13:50-14:40 |
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「鉛フリー高耐熱高放熱接合技術」 |
(株)日立製作所 日立研究所 守田俊章 |
講演概要:高温環境に対応した接合技術として、有機材料を保護膜として被膜した銀ナノ粒子接合法(耐熱性、放熱性に優れる)を発展させた、酸化銀粒子を用いた鉛フリー接合方法について紹介する。本接合技術は、数マイクロメートルサイズの酸化銀粒子を接合材料として利用するもので、従来の鉛を主体としたはんだ材よりも約150℃低い200℃から250℃で半導体素子と基板を接合でき、かつ接合後は500℃を超える耐熱温度を有する。また、高耐食化、及び他の酸化物系材料についても簡単に紹介する。 |
3) 14:40-15:30 |
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「配線による熱拡散の影響を考慮した高密度実装プリント配線基板の熱設計」 |
富山県立大学 工学部 畠山 友行 |
講演概要:高密度実装プリント配線基板は、その基本材料であるガラスエポキシ上または内部に、複雑な金属配線を有している。電子部品の信頼性を保つためには、その正確な温度予測がキーポイントとなるが、これを達成するためには複雑な配線を有するプリント配線基板の熱伝導率を正確に見積もる必要がある。本講演では、配線がプリント基板の熱拡散に及ぼす影響を考慮し、配線とガラスエポキシ双方の熱拡散の影響を含む有効熱伝導率を用いた熱設計技術の紹介する。 |
15:30-15:40 休憩 |
4) 15:40-16:30 |
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「方向性気孔を有するポーラス金属を用いたヒートシンクの開発」 |
大阪大学 産業科学研究所 中嶋英雄 |
講演概要:多数の微細な貫通孔を有するロータス型ポーラス銅を直列に並べ空気流を吹き込み熱伝達率を測定し、比較のために溝型フィンでも同様の測定を行った結果、両者を同じ流速で比較すると、ロータス銅を用いたヒートシンクでは熱伝達率が溝型フィンを用いた場合に比べて10倍も大きく、きわめて優れた冷却能を持つことがわかった。また、水冷型ヒートシンクでもロータス銅を用いたヒートシンクは溝型フィンよりも4~5倍も優れた冷却能を示した。講演では、ロータス金属の製法と特性、ヒートシンクへの応用開発について解説する。 |
5) 16:30-17:20 |
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「高熱伝導有機材料のパワーモジュールへの応用」 |
三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 多田 和弘 |
講演概要:パワーモジュールは電気機器の省エネ化に大きく貢献し、CO2の排出量削減など環境に対する配慮から、大きく成長している製品であります。パワーモジュールの設計では、パワー半導体チップから発熱される熱に対して絶縁を確保しながら、どう逃がすかがポイントとなります。最近では、この部分に絶縁性の高熱伝導有機材料が多く用いられるようになってきています。本講演では、パワーモジュールに用いられる高熱伝導有機材料に求められる機能、性能についてパワーモジュールの構造と対比しながら発表いたします。 |