特別講演

3月23日(水)14:10~17:20
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14:10~15:10
群馬大学 大学院理工学府
准教授 白石 洋一氏
「さらに加速するAIの産業応用」

産業界におけるAIの応用は、手法の拡大、適用範囲の拡大、高性能化、の面で加速度的に進展しつつあります。我々は、この5年間に20件以上、AIを現場で実用化するための共同研究で行ってきました。実験室の小規模問題と現場の問題とは本質的に異なり、問題に適したデータ処理が必要となります。それと同時に、処理のブラックボックス化を最小限にし、製造物と社会に悪影響を及ぼさないように、AIの生成結果に責任を持つことも必要となります。さらに企業では、専門家ではないエンジニアが自分の仕事に「AIを使える」ことを目的としたリカレント教育も広まりつつあります。本講演では、実際の経験に基づいて、これらに関する話題を提供します。

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15:10~16:10
富士通株式会社 サステナビリティ推進本部
執行役員常務CSO (兼)サステナビリティ推進本部長 梶原 ゆみ子氏
「イノベーションの源泉となるDE&I」

企業を取り巻く環境は大きく変化しており、企業はパーパスドリブン経営や、サステナビリティ経営等、長期的な視点に立った経営変革に取り組んでいる。その中でも企業がイノベーションを生み出す上で重要な課題の1つがダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンである。今回の講演では、富士通が取り組んでいるダイバーシティ推進や働き方改革の取組みを紹介すると共に、STEAM教育や、学びにおけるジェンダーギャップへの対応等、政府で現在検討されている、人材に関する科学技術・イノベーション政策の動向に触れ、アカデミアと産業界が共に取り組むべき課題や方向性について提案する。

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16:20~17:20
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
エレクトロニクス・製造領域 領域長 安田 哲二氏
「先端半導体製造技術の動向と次世代コンピューティング基盤戦略」

社会と産業を支える基盤としての半導体の確保に高い関心が集まっている。データの利活用がビジネスや公共サービスの成功の鍵である一方で、そこで用いられる機器の性能向上の主役であった半導体微細化は物理的な限界が近づいている。本講演では、半導体を巡る社会と技術の動向を概観したうえで、次世代のコンピューティング基盤確立に向けた戦略を、近年期待が高まっている量子技術も含めて議論する。また、産総研の先端半導体製造技術拠点や量子デバイス開発拠点における取り組みを紹介する。