自動車の電子制御は、ガソリンエンジンの制御から始まり、現在では、走る、曲がる、止まるという自動車の機能の多くが電子制御されるようになってきています。さらに今後の自動車に期待される進化は、安全、快適、低環境負荷というベクトルを持ち、車両の外側との情報通信、車両制御の高機能化・高精度化など、カーエレクトロニクスの多様化、高機能化が増々求められるようになってきています(図1)
このような方向性の中で、自動車用制御システムの動向として、①システム化(ECU統合によるシンプル化&高機能化)、②電動化(制御の高機能・高性能化)、及び③電子化・無線化(車両内外の情報通信)が進んでおり、①システム化の要件としては、ECU放熱設計、ECU小型化、及び高耐熱・高耐振化(搭載フリー)が挙げられ、②電動化の要件としては、パワー素子電力変換の高効率化、センサ多様化、センサ一体化、アクチュエータ一体化、全体放熱設計、及び電力保存技術、③電子化・無線化の要件としては、入出力多様化、及びEMC設計が挙げられます。表1には、これらの要件に対応するために必要となる実装技術を示します。本研究会は、その革新に向けた研究の場を提供するとともに、関連研究、関連産業技術の活性化に貢献することを目的としています。
公開研究会では、自動運転の動向、センシングの動向と実装技術、またEV、FCVの動向と実装技術などのテーマで、依頼講演による情報交換および交流の場を提供しています。
図1 カーエレクトロニクスの多様化・高機能化